星屑家族 下
子どもは、親が幸せになるための道具じゃない。
子どもを持つ事が、「正しい」社会。
人の親でなければ「人間ではない」世の中。
そんな「理想」の世界で、ヒカリは一組の夫婦と夏を過ごす。
子どもを求めるちさと、求めない大喜。
「普通」ではない二人と時間を共にし、ヒカリに新しい感情が芽生えていく。
「僕の幸せは、どこにあるの?」
家族のスガタを再定義する、SFファミリーストーリー。
●幌山あき ビームコミックス好評既刊●
[マーブルビターチョコレート]
●コミックビーム 公式ツイッター●
@COMIC_BEAM
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人の親でなければ「人間ではない」世の中。
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- 巻で購入 全2巻完結
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スタッフおすすめレビュー
※ネタバレを含む場合がありますのでご注意下さい
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舞台は少子化の加速に加え虐待やネグレクトなどが大きな社会問題となり、「子供を扶養する」事が免許制となった未来。
管理局が派遣する「扶養審査官」である子供により扶養資格適正審査が行われ、合格して晴れて「子供」を有することができます。
逆に言えば扶養適正者として認められなければ「落第者」のレッテルを貼られ、社会的信用を失ってしまうのです。
この物語はひとりの扶養審査官と、彼が派遣された扶養者失格になることを望む夫と合格を願う妻との物語。
虐待による子供の死を報じるニュースを見る度に、何故…という思いが胸を占めます。
また「親ガチャ」や「毒親」という言葉が一般的に認知されるようになったことも、そこに至るまでにどれだけの犠牲があったのか…と思わずにはいられません。
そういった現状を踏まえた、この物語の“子供は親を選べないということが問題なら親を選別すれば良い“という設定に衝撃を受けました。
しかしこの物語が凄いのは、子育てに対する社会風刺だけに留まらないところです。
主人公の扶養審査官である少年・ヒカリが派遣されたワケアリ夫婦が抱える問題やヒカリ自身のエピソードが複雑に 絡まり物語の奥行となっており、グッと胸を掴まれるのです。
そしてこの物語の需要な要素としてSFも欠かせません。
扶養審査員の子供たちはどうして審査員となったのか…、扶養資格制度はどう変化していくのかも見どころです。
上下巻で完結するので一気に読み切ることができますが、しっかりとした読み応えがあります。
審査対象の大喜とちさに対し心無い言葉を投げる人や、扶養審査官が体験するエピソードなど読んでいてイライラするシーンもあるのですが、読了後心に残るのはそんな胸糞悪さではなく、一筋の涙が頬を伝うような…そんな物語です。
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