私立帝城学園-四逸-(2)

【初恋の人を追った先は、α(アルファ)が君臨する全寮制の名門校。】元恋人の那治(なち)を支えたくて帝城学園に入った春太(はるたか)。しかしそこは地位を持ったαが集い、自らの力を誇示する場所だった。Ω(オメガ)である春太は上手く学園に馴染めず、那治を支えるどころか自分のことすらままならないでいた。そんな彼に目を掛ける学園の権力者・四逸(しいつ)の一人、葵木(あおき)。何かにつけては面倒を見てくれる葵木に春太は少しずつ信頼を寄せていく。

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スタッフおすすめレビュー

※ネタバレを含む場合がありますのでご注意下さい

進学を直前に恋人・那治(α)に別れを告げられた春太(はるたか)(Ω)。その理由は、名家の子息が通うエリート校・帝城学園へ進学し、政治家である父親の跡を継ぐためでした。「政治家になって春太たちΩにとって生きていきやすい社会を作りたい」と語る那治に感銘を受けた春太は、自らも帝城学園に入り那治を支えることを胸に誓いますが、上流社会の縮図のような帝城学園の実情に圧倒されて……。

閉鎖的な空気が漂う全寮制男子校、美麗なタッチで描かれる豪奢な学園生活、複雑に入り組んだ人間関係――これはもう名作の予感しかないのでは……? 
シリーズものの第1巻という物語の序盤ゆえ、まだカップリングがはっきりしない状態ですが、別れた恋人を一途に思い続ける春太と、彼と距離を保とうとしつつも未練がにじむ那治、そして生徒を牛耳る社交クラブ「四逸」の一員で春太を気にかけている上級生・葵木(α)ら、魅力的なキャラクターたちがどんなドラマを繰り広げてくれるのか、期待に胸が高まります。また、セックスを武器にヒエラルキーを駆け上がろうとする春太のルームメイト・辻(Ω)や、「四逸」会長の立場を使って奔放な性生活を送る蓮宮(α) など、不穏な空気を纏う人物も。登場人物が多く設定も複雑ですが、それだけに世界観に入り込んだときの面白さは格別! 「完結してからまとめて…」なんて言わずに、1巻ずつがっつり読み込んでほしい作品です。

同時収録されている短編「お子様はα」では、前作『奥様はα』(ふゅーじょんぷろだくと)のカップル・隆臣と一昌の子どもが隆臣の母校である帝城の幼児教室に入る描写が……。本編のストーリーに関係してくるのか、こちらも楽しみです!

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