俺はまだ本気出してないだけ 3
家出先の市野沢のアパートから、実家へと戻ってきたシズオ。しかし相変わらずの駄目ぶりに、ついに父親から「お前はピンチだ」と真顔で言われてしまう。さらに「マンガを描くのはいいが、ただの趣味として描け」とも言われてしまい、シズオは妄想の中で15歳、17歳、22歳、32歳当時の自分たちと“俺会議”を開催。本気で描くか趣味で描くか、激論の果てに出た答えは…?これまで何度となく本気を出してきた男・シズオがついに本当に本気を出す…?漫画家デビューへ向けて次々とネームを製作するシズオに対して、担当・村上が出した結論とは!?衝撃展開の第3集!!
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とっても残念な中年・大黒シズオ。
40歳で会社を辞め、マンガ家を目指す姿がホントにダメで。応援する気にもならなくて。でもなんだか、気になって。
そして、シズオを取り巻く人たちもクセがあって。みんながみんな、めんどくさくって。でも気になって。
読んでるうちに「自分に正直に生きていいんだ。」って、気づいたらシズオに感化されて、勇気づけられて、そんな自分がちょっと怖くなる一冊。
私のお気に入りはシズオの娘・鈴子。しっかりもので、ダメな父を受け入れつつも、ちょっと冷たくて。愛らしい。
アクの強い人たちに囲まれて、安定感抜群な鈴子がメインで描かれた完結5巻目のラストが、この作品の集大成。じんわり、ほろっと泣けてくる。心の中で「鈴子」って、小さな声で呟いた。
まずはシズオの生き様を妙な気持ちになりつつ、1回読んで。鈴子のために2回目を読め!