鉄コン筋クリート 3
身の安全を慮って、シロは藤村・沢田が保護していた。一方、クロはシロのいない寂しさを紛らわすかのように、暴虐を繰り返していた。
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「強さ」って、どういうことだろう。
私は映画からハマったクチですが、原作も何度も読み返しては独特の浮遊感に浸り、そのたびに「強さ」について考えます。
宝町という荒んだ街でたくましく生き抜く少年・クロとシロ。2人が見る世界は、暴力とオトナの欲望に満ちている。オトナを圧倒する「力」を欲するクロの凶暴な感情は、すべて相棒のシロを守ることに注がれているけれど、実はシロの純朴さに生かされている。でもそれを「依存」と簡単にオトナの理屈で言い切りたくはない。2人は光であり闇であり、どちらにも振れる危うさこそが純粋で、愛しく胸に迫るのです。
ひとりで着替えもできず、幼児のように世話のかかるシロですが、「安心安心」「シロ、こんな街いらない」「もっとゆっくりならいいのに」など、たまに呟く「シロ語」は、本質を突いていてドキッとします。
ぜひ、映画主題歌だったアジカンの「或る街の群青」を聴きながら、宝町に飛び込んでください。松本大洋の不細工なガキ(褒め言葉)、クロが最高にカッコよく、シロが最高に可愛く見えてくるはず。