月下の棋士

第51期名人戦、名人・大原巌と挑戦者・滝川幸治が熱海で第7局を戦っている時、東京・将棋会館に氷室将介という青年が現れる。プロ棋士になりたいという将介が手にしていたのは、伝説の棋士・御神三吉の推薦状だった。その推薦状を見たプロ棋士・虎丸は二段の坂東と将介を戦わせる。

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  • 月下の棋士 21

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    さめた眼でテーブルの向こう側を見つめる光本龍一・8段。その視線の先には、プロデューサーに連れられて光本の屋敷を訪ねたアイドル女優・華月ありさの姿があった。プロデューサーは光本の経営する劇場の主役に是非とも華月を、と懇願するが、光本は全く相手にしていない。プロデューサーは華月を部屋に残したままその場を去る。すると、光本は華月に服を脱ぐことを命じ、5分間言いなりに従ったら願いを叶える、という“ゲーム”を持ち掛ける…!!
  • 月下の棋士 22

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    第57期A級戦は3日目までの日程を消化し、早くも大荒れの様相を見せている。台風の目となっているのは将介で、並み居る強敵を退けて3戦全勝を守っていた。A級第4戦の将介の相手は、将棋会館の乗っ取りを狙う、と噂される土居学。対局の朝、将棋会館の前で将介と出くわした土居は、将介の師・御神三吉と自分は同門だったと告げる…
  • 月下の棋士 23

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    第57期A級リーグ戦の第5戦、将介は因縁の相手・大和天空と対峙する。だが天空は、養女・岬が残した「変わる決心」という言葉の意味を探ることに夢中になっていた。そのことを知ってか、将介はしきりに天空を挑発する。天空の怒りはついに頂点に達し、彼の指した駒はまばゆい光を放つのだった……
  • 月下の棋士 24

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    第57期A級リーグ戦・第6戦。氷室の対戦相手は、かつて氷室と死闘を演じ、その後病死してしまった村森聖の兄弟子・山内。山内は村森の弔い合戦と称し、村森が氷室に敗れた時の手順をそのまま再現する。不気味に迫る村森の影に、氷室は……。
  • 月下の棋士 25

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    第57期A級リーグ戦・第7戦、将介は村森の死や幸田の豹変などから受けたショックを癒せないまま対局に臨む。対戦相手は、曲者・坂口吾平。本調子には程遠い将介を、坂口は容赦なく攻め立てる。そして、ついに……
  • 月下の棋士 26

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    第57期A級戦は、第八回戦をむかえさらに白熱してきた。すでに2敗していて後がない氷室将介は、目下無敗で独走中の佐伯宗光と対戦中。そんななか、自信に満ちあふれている佐伯は60手までに氷室を破ると宣言する。これといった進展のないまま、60手目が目前に迫る……。
  • 月下の棋士 27

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    第57回順位戦A級の第八回戦で無敗の佐伯と対局した氷室将介は勝利を収め、優勝への望みをつなぐ。名人挑戦者を決定する順位戦A級もいよいよ大詰め。そして迎えた最終戦。一敗でトップを走る佐伯を二敗で追う氷室の対戦相手は、刈田升三。現在二勝の刈田は、佐伯と対局する大和天空と同率で、二人ともA級の生き残りがかかっている。四者四様の思惑が渦巻く中、今、特別対局室に、四人が集まった!!
  • 月下の棋士 28

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    第57回順位戦A級最終戦もいよいよ終盤。天空と対局している佐伯は、突然駒を指すのをやめてしまう。すでに盤上は、だれの目にも天空の勝利確実という局面でのこの行動に、天空をはじめ周囲の者は戸惑う。しかし滝川だけは、この行動の意味がわかったようだった。
  • 月下の棋士 29

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    名人戦挑戦権をかけての第57期A級順位戦は、プレーオフに持ち越された。佐伯との対戦になるその決戦を翌日に控えた将介は、周りの心配をよそにリラックスしていて、取材に来た立原と食事に出かけた。
  • 月下の棋士 30

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    プレーオフに持ち越された、名人挑戦権をかけての第57期A級順位戦。将介は、佐伯との対戦中、69手目を指し終えたところで特別対局室を出た。ただ一人、部屋に残された佐伯は、盤上に将介の真意を探す。一方、部屋の外で女性記者・立原に会った将介は、「佐伯が2二同玉を指せば、125手目でオレが勝つ。あいつがカラから出れば、200手以上の大勝負になる」と予言する…
  • 月下の棋士 31

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    名人・滝川幸次、挑戦者・氷室将介との間でついに始まった第57期名人戦。持ち時間無制限、一本勝負にて雌雄を決する特別ルールが採用された対局の序盤、滝川は「95手目、私の5五角で、きみの投了」と発言。対する氷室も「96手目、オレの一手で、てめぇの投了だ」と言い返す。だが、その裏で氷室は滝川の強さをひしひしと感じ、このままでは負けてしまう、と追いつめられていた…。一方、対局の陰では思いがけない事件が起きていた。滝川の師匠、村木武雄の未亡人ゆうこが、水死体で発見されたのだ。前日に彼女と会ったのは、滝川のみ。滝川を容疑者と見る警察は、対局場に足を踏み入れようとするが…。
  • 月下の棋士 32

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    名人・滝川幸次、挑戦者・氷室将介との間で争われている第57期名人戦。二日目から沈黙を続け、まる四日間、一手も指さずにいた滝川が、ついに動いた。その一手とは、3五歩。長い沈黙を破った滝川は、一気に詰めに向かって突き進む。そして72手目。滝川の圧倒的有利で対局は進み、氷室の頭には“投了”の二文字がちらつきはじめた。だがそこで氷室の耳に、自分を叱咤激励するじっちゃんの声が聞こえてくる。幼い頃、じっちゃんに「世界一の棋士になる」と誓ったことを思い出した氷室は、最後の大勝負に打って出た!

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