浮力の本 幻想集
”本を宿す者”という意味のマータラたちは、高い壁の内側の亜3B棟で起居をともにする。彼らは胸の中に「浮力の本」を埋め込まれている。 悪事を働いたり不道徳な行いをしたり考えたりすると、その行状が体内の本に魔術的な力で自動筆記される。また記述が増え最後のページまで文字が埋まると、浮力を得て宙に浮く。そして、二度と地に足を着けることはない。これは”最後のページが終わる”と表現される。偶然に浮力を得たが生還した弥鳥コドリは、参留レーヌと名乗る老人と出会う。
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