弱(チンピラ)虫 10
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「心ひかれた女に弱虫とよばれました。弱虫だからチンピラになったと、心の中で答えました……。弱虫とかいてチンピラとよみます」。下っ端やくざの修は、兄貴分たちが探していた女・景子を、一時の気まぐれで一晩自宅に匿った。朝、目を覚ますと景子の姿は既に無かったが、事務所に行くと驚くべき事実が判明する。景子はあろうことか組長が熱を上げている女だったのだ。その後、結局捕まってしまった景子から助けを求められた修は……? -
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上部組織である風組を抜けたことで、もともとは兄弟組であった江戸川組との関係を急速に悪化させた月島組。畑山が江戸川組の人間に潰されてしまい、修は報復に動こうとするが、事態を大きくしたくない、と船水はそれを許可しない。その頃、組長のもとには手を組むことを決めた紅屋組の人間が挨拶に訪れており…? -
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組長に呼ばれた修が部屋に入ると、そこにはシャブによって男狂いとなってしまった景子がいた。組長は、自分はもう役に立たないから相手をしろと修に命令をするが、修はそれを頑なに拒む。それでもなお縋ってくる景子に対し、修は「目を覚ませ」と頬を張るのだが……。 -
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有美の口利きによって店で働き始めた由夏。有美と修はそれぞれが知らずのうちに、いろいろと由夏の面倒を見るようになっていた。その頃、月島組では“お務め”をしていた入来が予定よりも2、3カ月早く出所してきた。入来の復帰で月島組を取り巻く環境は…? -
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シャブ中になりながらも組長の元から逃げ出した景子。頼るもののない彼女は、修の管理する廃屋へと逃げ込んでいた。そのことを知った修は、彼女を逃がすことを「じいちゃん」に依頼したのだが…? -
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修に間違えられたことから刺され、亡くなった楠田。由夏と有美は、自分たちと修が楠田を殺してしまったのだと悲しみに暮れる。一方その頃、修は楠田の死を知ることもなく、景子の行方を追い続け、遂にあるソープ嬢からその居場所を聞き出すことに成功する。 -
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「シャブが抜けるまで」と景子の傍につく修。景子を専門の施設に入れるため、山梨へと向かうのだが、タクシーに乗り込むところを章一たちによって見られてしまう。一方その頃、由夏は後輩の華菜に暴力を振るうやくざのところへ乗り込もうとしていた。 -
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親である船水の手で殺されたように装い、月島組の目を逃れた修は、猩猩組の親分のツテで、ある街に身を隠していた。しかしその事を知らない、残された女たちは修を失った悲しみに涙していた……。そんな女の一人、由夏は、船水を憎むあまりに……? -
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「春になって旦那が出所してくるまで……」そう約束し、体を重ねあっていた修と雅美。時は過ぎ、残酷な春がやってきたことで二人は別れた。しかし、出所してきた旦那・笹谷の元へと戻った雅美は、スナックを辞め、ソープで働かされていた。それを知った修は……? -
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船水が殺された――。修が生きていること、そして船水と江戸川組の繋がりを、“裏切り”のためと勘違いした月島組の面々の手によって。船水の死を知った修は、一目だけでも逢いたいと、再び千葉へと戻ってきたのだが、自分のせいで船水が死んだのだということに気付き……? -
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船水の仇を取るため、“親”である月島組の組長を殺した修。逮捕された修は、弁護士の助言を聞くこと無く、ただ全てを認め続ける。その頃、外では船水が望んでいたように、月島組と江戸川組が再度ひとつの組となって再出発を図っていた。全ては片付いたように思われたのだが、入来が不穏な動きを……? -
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実刑2年――それが修に下された罰だった。そして、同じその日に、修の“故郷”である有美が倒れ、病院に運ばれてしまう。由夏や朝は「貧血だ」と説明を受けたが、由夏は看護婦たちが乳がんだと話しているのを聞いてしまう。有美の運命は……? -
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警察官の永島を誤って殺してしまったことから加速する紅屋対江戸川組の抗争。意地でもホシを挙げようとする警察に対し、全てを知る朝村は戦々恐々。一方、乳がんに侵された有美は、朝の必死の説得もあり手術を決意するのだが、既に転移が見受けられ……。 -
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刑務所内で助けたのは紅屋の、しかも江戸川組への撃ち込みを行った男だった。そのせいで再度独居房に入れられた修は、そこで刑務官・茜草との逢瀬を重ねる。その頃、娑婆の江戸川組のシマでは出どころのわからないシャブが流通し始めており……? -
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北爪修、出所――。紅屋の本拠地・大阪へと乗り込むため、出所したその足で東京駅へ向かう修だったが、その頃有美は生と死の境を彷徨っていた。朝と由夏は、何とか修と有美を逢わせようと手を尽くす。東京駅へと着いた由夏だったが、もう新幹線は発車する直前で……? -
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雨森を殺し、船水の仇を取った修は、再び千葉へと帰ってきた。ある日江戸川組・森田組長から呼び出された修は、船水のシマの引き継ぎを命じられる。とてもそんな気にはなれないと断る修だったが、組長は「船水組、張ってみっか」と……? -
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朝村の元で本格的に“やくざ”となった宏。その増長ぶりは激しく、修のシマをもぶんどってやると息巻き、ちょっとしたウソの責任として、ずっと一緒だったはずの章一のエンコまで詰める始末。一方、修の周辺では女たちに怪しげな影が……? -
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ヤミ金業で着々と力をつけ始める宏とその舎弟たち。その魔手は修の周りの人間にも伸び、必然、修と宏はぶつかり合う事に。「俺が上るか、修を引きずり下ろすか……」野心を抱く宏の行く先は……? -
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秋子が依頼主の娘だということを知らないままに、「修を殺せ」と放たれたヒットマン。修にスキが無いことから、動揺を誘おうとその男がとった行動で、秋子は植物状態になってしまう。そのお腹に修の子を宿したまま……。そして、億というカネを手にしたことでより過激に、過剰になっていく宏の野心。弱虫たちの物語は、どこへと流れていくのか。 -
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秋子が自分の命と引き換えに産み落としたのは、修の子では無かった。しかし修は秋子を手に掛けたミノルの手掛かりを追い続ける。その頃、江戸川組のシマでは落ち目の宏に代わり、章一がめきめきと頭角を現し始めていた。
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