ゴーマニズム宣言SPECIAL 愛子天皇論2

愛子天皇誕生を熱望する声が日に日に高まっている。実際、共同通信が2024年4月28日付で配信した世論調査を見ても、実に90%に上る人々が女性天皇を容認すると回答。これは、愛子さまを念頭に置いた国民一人ひとりの「総意」であることは間違いないだろう。

 一方、政治の世界では安定的な皇位継承を巡る議論は一向に深まらず、20年もの間、先送りされてきた。なぜか? それは男系継承に固執する一部の自称保守政治家が、女性・女系継承につながる議論を頑なに阻んできたからに他ならない。

 彼らは男の血を尊び、女の血を卑しむ「男尊女卑」という儒教国家伝来の考えから抜け出せないばかりか、戦後、皇籍離脱した旧宮家の子孫である「現・一般国民男子」を引っ張り出し、現存する皇族と養子縁組みさせたうえ、ゆくゆくは女性皇族と「政略結婚」させるという、あまりに荒唐無稽なウルトラC案を金科玉条のごとく振りかざす。

「男系男子継承は伝統だーー」

 男系固執派は決まってそういう。だが、それが明文化されたのは明治以降のわずかな期間で、歴史をさかのぼれば女性天皇は八方十代おり、男系も女系も共に尊ぶ「双系主義」だったことは明らかだ。

 本書では、女性・女系天皇の践祚がいかに正統性があるものなのか、その歴史的根拠を詳らかにしたうえ、現在、国民から圧倒的な支持を受けている愛子さまのカリスマをつぶさに描いていく。

 天皇皇后両陛下から有り余る愛情を注がれ、上皇上皇后ご夫妻のお姿も身近で見ながら育った愛子さまは、いつしか公に尽くす心を大いに育まれ、今春、日本赤十字社にご就職された。我われ日本国民を見守り、真に癒すことができる将来の天皇は愛子さましかおられないということを、漫画家・小林よしのりが作家人生を懸けて描く第2弾。

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  • ゴーマニズム宣言SPECIAL 愛子天皇論

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    近年、皇族数の減少が続いている。象徴天皇制は国民の間で広く定着しているが、この問題を放置すれば皇室制度の存続そのものが危ぶまれる事態になりかねない。それにもかかわらず、安定的な皇位継承策を巡る議論は一向に進んでいないのが実状だ。 そんな淀んだ空気を打破するように、岸田文雄総理が2023年1月、国会で「衆参両院議長の下で検討される」と答弁。翌月の党大会でも「先送りの許されない課題で国会での検討を進めていく」と強く主張したこともあって、皇位の安定継承を巡る議論が再び動き出しそうな気配となっている。  だが、この問題はすでに結論が出ている。2000年代半ばに当時の小泉純一郎政権が皇室典範改正に向けて立ち上げた有識者会議が出した最終報告がそれだ。 ■女性天皇および女系天皇(母系天皇)を認める。 ■皇位継承順位は男女を問わず第1子を優先とする。 ■女性天皇および女性皇族の配偶者になる男性も皇族とする(女性宮家の設立を認める)。  このときは、秋篠宮紀子さまが悠仁さまをご懐妊されたことで議論は立ち消えとなり、答申を受けた法案の提出も見送られることになる。 だが当然のことながら、悠仁さまのご誕生をもって皇位の安定継承の問題が解消されたわけではない。なぜなら、126代にわたる歴代天皇のうち約半数が「側室」の子であったため制度は長年維持できたものの、大正天皇の御代に事実上廃止となった側室制度を現代に復活させることは不可能であり、皇族がお一人増えたからといって皇位の安定継承にはつながらないからだ。 ではなぜ、議論は立ち消えとなったのか?  それは、男系継承を絶対とする「自称・保守派」の面々が、故・安倍晋三元総理の後ろ盾となり握りつぶしたからにほかならない――。 歴史を遡って「八方十代」(10代にわたって8人)いた女性天皇を「中継ぎにすぎなかった」と言い放つ彼ら「男系固執派」は、1947年(昭和22年)に皇籍を離脱した旧皇族の末裔に当たる結婚適齢期の男子(生まれながらの一般国民)を「準皇族」扱いしてもてはやし、あろうとことか、皇室典範で禁じられている現皇族との養子縁組みを行い、ゆくゆくは愛子内親王殿下と結ばれるよう画策しているのだ。 これは、愛子さまの意思をないがしろにした謀略であり、何より憲法第14条(法の下の平等)の定めた「門地」による差別に当たる。  しかも、彼ら保守を自認する「男系固執派」は、この旧皇族の末裔に当たる男子が「複数人存在する」と言い張り、そればかりか、彼らのうちの何人かは「いざというときのために覚悟はできている」(皇統断絶の危機に瀕するようなことがあれば自ら名乗り出るつもりだ)と証言している、と何の根拠も示さずに主張しているのだ。  共同通信が2021年3~4月に行った世論調査では、女性・女系天皇を容認する声は実に80%以上にのぼっている。にもかかわらず、誰がそれをかたくなに阻んでいるのか……?  『ゴーマニズム宣言SPECIAL 天皇論』(小学館=2009年6月)をはじめ、『新天皇論』(同=2010年10月)、『昭和天皇論』(幻冬舎=2010年3月)、『天皇論 平成29年』(同=2017年2月)を次々と上梓し、天皇という国体そのものを深く探究し続けてきた漫画家・小林よしのりが突きつける衝撃の問題作。
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    愛子天皇誕生を熱望する声が日に日に高まっている。実際、共同通信が2024年4月28日付で配信した世論調査を見ても、実に90%に上る人々が女性天皇を容認すると回答。これは、愛子さまを念頭に置いた国民一人ひとりの「総意」であることは間違いないだろう。  一方、政治の世界では安定的な皇位継承を巡る議論は一向に深まらず、20年もの間、先送りされてきた。なぜか? それは男系継承に固執する一部の自称保守政治家が、女性・女系継承につながる議論を頑なに阻んできたからに他ならない。  彼らは男の血を尊び、女の血を卑しむ「男尊女卑」という儒教国家伝来の考えから抜け出せないばかりか、戦後、皇籍離脱した旧宮家の子孫である「現・一般国民男子」を引っ張り出し、現存する皇族と養子縁組みさせたうえ、ゆくゆくは女性皇族と「政略結婚」させるという、あまりに荒唐無稽なウルトラC案を金科玉条のごとく振りかざす。 「男系男子継承は伝統だーー」  男系固執派は決まってそういう。だが、それが明文化されたのは明治以降のわずかな期間で、歴史をさかのぼれば女性天皇は八方十代おり、男系も女系も共に尊ぶ「双系主義」だったことは明らかだ。  本書では、女性・女系天皇の践祚がいかに正統性があるものなのか、その歴史的根拠を詳らかにしたうえ、現在、国民から圧倒的な支持を受けている愛子さまのカリスマをつぶさに描いていく。  天皇皇后両陛下から有り余る愛情を注がれ、上皇上皇后ご夫妻のお姿も身近で見ながら育った愛子さまは、いつしか公に尽くす心を大いに育まれ、今春、日本赤十字社にご就職された。我われ日本国民を見守り、真に癒すことができる将来の天皇は愛子さましかおられないということを、漫画家・小林よしのりが作家人生を懸けて描く第2弾。

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