砂濱通信(2)海に沈む花束

「俺は決して あの日々を忘れることはないだろう……」

悪魔の王、サタニック。
その性格は自由奔放ではつらつとしているが、時に彼は――その心に暗い影を落とす。
永い時が過ぎてもなお色褪せることのない過去の記憶。
サタニックは、とある「昔の思い出」を胸に、荒野で花束を抱えていた。

かつて彼が出会ったある一人の人間の男、名はヴィクター・フランケンシュタイン。
ヴィクターは「神に背く行為」に手を伸ばそうとしていたが、そんな時彼の前に現れたのが魔王サタニックだった。
サタニックはヴィクターの「発明」にとても興味津々であったが、悪魔が現れたことをきっかけに自分の行動を考え直したヴィクターは、一度故郷へ帰ることを決心した。
サタニックも一度ヴィクターの元から離れ、「少し」間をおいてから彼のもとに訪れた。

薄暗く灯りのない部屋にいたのは、沈んだ表情を浮かべたヴィクターだった。
「なんだ、そんな顔をして……見たかったのだろう?私の”発明”が――!!」

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