Infinium Book 1書 1章
ブライアン・ヴィラは昔、機械いじりが好きな青年であった。彼の人生は決して楽なものではなく、むしろ苦難の連続であったが、ついに大学での恋人と結婚し、幸せな生活を手に入れた。だが…幸せなはずのその生活の中で、いつの頃からか彼は、何とも知れないそこはかとない不満を感じていた。一見順調に見える自分の人生には、何かが足りない気がする。もっと何か…あるのではないか。ある晴れた日、自宅の庭で芝刈りをしながらそんな物思いにふけっていた彼は、突然謎の光に包まれて自分の家から消え失せてしまった。ブライアンが気が付くと、そこは見たこともない荒れ果てた世界。そして彼の周りには、悪夢のような姿をした不気味な生き物たちが集まっていた。訳も分からず突然争いを始めた生き物たちに巻き込まれ、危うく殺されかけたブライアンの頭の中に、突然…不思議な声が聞こえた。その声は彼だけではなく、すべての生き物たちに届いているようだった。その声は、インフィニウムと名乗った。インフィニウムは太古から宇宙に存在する神秘的なエネルギー体であり、全宇宙からある条件に該当した生き物たちをこの世界に連れてきたと言う。その条件とは「自分の存在に対するさらなる欲求」であった。インフィニウムによれば、集められた生き物たちはこれから闘士として互いに戦う事を強いられ、最後に残った生き物とインフィニウムは融合し一つになると言うのだ。争いを好まないブライアンは当然拒絶したが、インフィニウムに強制的に不思議な力を与えられてしまう…否応なしに巻き込まれていくブライアンだが。
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