霧神島
第8話 儀式の終焉
その島には古くから続く因習があった。その昔、島に謎の瘴気が発生し、島民は病に冒され多数の死者が出たという。島の宮司は島民に忘れられた山に住まう霧の紙の怒りだと言った。島民が宮司に従い、島の娘を一人選び神の生贄に捧げると瘴気はぴたりと止んだ。島民は宮司に感謝し、言いつけ通り五年に一度生贄を捧げる儀式を続けた。また、紙を畏れ敬いその存在を忘れないためその島は「霧神島」と名付けられた。現在も「神納の儀」と呼ばれる生贄の儀式は島民にとっては当然のこととして執り行われている。しかしその儀式は神聖なものとされ、殆どの島民は儀式の内容を知らされていない―――
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