鬼神村~神の末裔×贄の少女~(4)

鬼神の一族を救えるのは、贄の一族だけ。
これは、鬼神と呼ばれる神がいた村で行われる、
現代へと続く因習と信仰の物語。

──199×年。

交通事故で両親を亡くし、天涯孤独となった主人公。
養子として引き取られていた彼女の受け皿になりたい者はいない。
しかし、そんな中ある中年男が名乗りをあげる。
怪しい中年男に手を引かれる最中、それを止めたのは布袍(ふほう)を着た長身の男だった。

「…こんにちは」

人口1000人程度の山村で住職をしている百鬼京丞(なきり きょうすけ)は、
傷ついた主人公の心に寄り添い、村に温かく迎え入れてくれた。

──だが、夜毎 百鬼は主人公の部屋に訪れる。
人間には到底あるはずもない、「鬼」のような角を宿して─。

彼は主人公に何をするわけでもなく、ただ一人精を発していくだけ。


目を開けるかどうか、どうしてこんなことをするのか。
何故、そんな姿をしているのか。

けれど、言葉を発する前に寝たふりをしていることがバレてしまい──


そして、百鬼は言った。

「……起きていますね、──さん」

■鬼神村
遠い昔、鬼神と呼ばれる者たちが作った村。
今でも鬼神信仰は続いており、
鬼神の子孫とされる者たちは村人から尊ばれ、
村を守るための存在だと思われている。

いつのまにか贄を捧げる生贄信仰は消えていたようだが…?


※本作は堀田阿伴の個人誌作品の電子書籍版となります。【26ページ】

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