月と太陽のアクト(3)
この世は舞台、人は皆、役者だ――。一人の少女が女優を目指して駆け上がる物語がいま、幕を開ける!月(ルナ)は演劇部に所属する高校3年生。お芝居は好きだが人前では思うような演技ができず、それにはある人物の存在が大きく関わっていた。そんなある日、一人こっそりと練習するルナの演技を見た芸能関係者の大久保が「女優にならないか」と声をかけてきて…!?
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舞台に主役と脇役がいるように、この世界にも主役と脇役が存在する。
そして私はそのどちらにおいても脇役にしかなりえない、と浅岡ルナは思っていた。
人前に出ると緊張して思うように演技ができない、常に自信がなくて悪い方にばかり考える。
そんな彼女に声をかけてきたのは、ルナの妹であり女優として活躍するハルが所属する芸能事務のマネージャー・大久保だった。
ハルの姉だからと期待されて失望される、そうやって比べられるのが怖い、と芸能界への誘いを拒絶したルナに対して、大久保はハルとの関係を伏せて活動することを提案するのだった…。
ルナは本気でお芝居が好きだけど、自分には女優になるなんて無理だと決めつけている。特にすぐそばにお芝居から愛されるハルという存在がいるため、なおさら妹みたいにはなれないと自分を卑下している。
彼女は妹と比べられるのが怖いと言っているが、実際にいちばん2人を比べているのは彼女自身なのだ。
果たしてルナは自分の殻を破り、誰にもしばられない自分だけの演技ができるのか。
女優・浅岡ルナから目が離せない…!