聴けない夜は亡い

深夜0時。通夜と告別式の合間、街の明かりが消える時間。大切な人を喪った依頼者の話を聞く青年・槙柊夜。朝起きると夜の記憶を忘れてしまう彼は、“聴き屋”として通夜の間に話を聞き、告別式の朝までに依頼を遂行する。今日もまた“想い”を抱えた依頼者が彼の元を訪れる。“死”を聴いて生きていく青年と残された人たちが立ち上がり、再び前を向く、そのドラマ――。

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スタッフおすすめレビュー

※ネタバレを含む場合がありますのでご注意下さい

葬儀屋の「通夜オプション」としてお通夜の間に話を聴く「聴き屋」として働く「夜」こと槙柊夜。
彼は目覚めると夜の記憶を忘れてしまうのです。

葬儀屋の物語と言えば、死者の声を聴く『ようこそ亡霊葬儀屋さん』がありますが、
こちらは霊ではなく残された生者の声を聴き、その人の気持ちの整理をするキッカケを作ってくれます.


『覆面系ノイズ』や『悩殺ジャンキー』の福山リョウコ先生が少女マンガ誌から飛び出し、ヤングアニマルZEROで連載をしている今作。
ご本人曰く「生まれて初めて、進むために描いた漫画」ということですが、物語に出てくるどの依頼者も死者との間にあった後悔や未練を自分が先に進むために昇華しており、読んでいる側も前向きになることができます。

死んだ父と残された娘の思い、
友人の突然の死に言えなかった思いを抱く青年など。
どの物語も、切ないながらも前向きになれます。

依頼者ごとにオムニバス形式で物語が進んでいきますが、1巻の後半から柊夜が何故「夜」として「聴き屋」を営むことになったかが描かれます。
キッカケは、葬儀がない日に依頼をしてくる「常連」神さんとの 夜でした。
神さんは「きみが全部忘れてくれるから話しやすい」と言います。
確かに見知った人には言えなくても、赤の他人、しかも朝には忘れてしまう人が相手なら話しやすいでしょう。
自分ひとりで抱えられない思いを、吐き出せたのならどれだけ楽になるか。
きっと神さんも初回はそれで救われたのかもしれません。
しかし、彼はリピーター。自分の話を聴いてもらうのではなく「きみの話を聴かせてくれ」と頼むのです。
そして最後にこう言うのです。
「自分より凄惨な別れを聴くと救われるから」

全体的に摩訶不思議でほろりと泣ける心温まる物語かと思いきや、自分の隠している確信をついてくるこのセリフにハっとしました。
残酷な一言ですが、世の中には自分より不幸な話を聴く事で自分はまだマシだ。と思うことはあります。
とてもエゴイスティックなことですが、それで救われる人がいるのも事実です。

柊夜に一体何が起きたのか。
彼が夜を思い出せる日は来るのか!?
不定期連載なのでスローペースでの刊行になるとのことですが、楽しみに次巻を待ちます!!

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